5歳は自分の気持ちや欲求などを言葉にしてきちんと伝えられるようになる年齢です。
また、与えられた情報に対して「なぜ」「どうしてそうなるのか」ということを自分なりに考えようとします。そのため、絵本ひとつにしても子どもは大人が考えているよりもずっと心の奥深くで受け止めようとしています。
この年齢に与えた本は、その子にとって一生の思い出の本になることも多いため、できるだけ良質な本を選ぶようにしましょう。
幅広いジャンルの絵本に触れる機会をつくる
絵本の存在が、自分の興味のあることをさらに広げてくれること、または全く知らない世界に連れていってくれるもの、最高に楽しいものだと認識するようになった子は、親に言われなくても自発的に本を読むようになり、読書好きの子どもに成長します。
5歳ともなると、絵本も長いお話を楽しめるようになりますが、長いお話を聞く、あるいは読むにはそれだけ集中力が求められます。
絵本に触れることで、読解力・想像力・記憶力・集中力と来年就学するにあたり必要な能力をしっかりと養うことができるでしょう。
子どもの興味に合わせて幅広いジャンルの絵本に触れる機会を作るため、図書館に行く回数を増やすのもおススメです。
また、子どもは自分が知ったことは、親や周りの大人たちに披露したくなるものです。英語はインプットとアウトプットのバランスが大切。積極的に子どもに話しかけて、発話する機会を沢山つくりましょう。
おススメの読み聞かせ絵本
Clothesline Clues to Jobs People Do
著者:Kathryn Heling
出版社:Deborah Hembrook
物干しに干してある衣装で職業が分かるようになっている絵本です。
洗濯ロープには、グレーの制服と帽子それから手紙の入った大きなバック…これらを使うお仕事はな~に?とクイズを楽しみながら読み聞かせすることができます。
2、3歳から英語に親しんできた子どもなら、職業はきちんと「She is a 〇〇.」「He is a 〇〇.」とセンテンスで言えるようにしましょう。
Elmer
著者:David McKee
出版社:Andersen Press
カラフルなモザイク模様が目を引く絵本。1968年に出版されてから、世界20か国以上で翻訳発売されている人気の絵本です。
ゾウのエルマーは、ひときわ鮮やかなモザイク模様のゾウ。とても明るく愉快なエルマーでしたが、他のゾウたちと違うことを悩んでいました。そしてある日、エルマーはゾウ色の実で自分を染めることを思いついて…?
個性があって目立つことは悪いことではない、周りは外見を評価しているのではない、ということを楽しいストーリーで教えてくれます。こちらはなんと30冊ものシリーズ本となっていますので、子どもが気に入ったなら揃えてみてくださいね。
Burglar Bill
著者:Allan Ahlberg
出版社:Puffin Books
絵本作家、佐野洋子さんが「ドロボービルのものがたり」として翻訳して出版しているため、日本でも有名な絵本です。
主人公は泥棒の「ビル」。なんでも盗めるビルは、ある日泥棒に入った家で箱を盗むことに成功。だけど箱の中にはなんと赤ちゃんが入っていて…?
予想外の展開と泥棒のコミカルな行動が楽しく、最後にはほろりとさせられるストーリーになっています。少し長めの絵本ですが最後まで親子で楽しみながら読み進めることができます。
The Giving Tree
著者:Shel Silverstein
出版社:HarperCollins
日本では2010年に作家の村上春樹さんによる翻訳で大変話題になった絵本です。
絵本ですが、ページを開くと白地に線画、短い英文と大変シンプルな構成になっています。
お話は1本のりんごの木と少年の成長が描かれ、りんごの木が少年に与え続ける「無償の愛」について深く考えさせられるストーリーとなっています。
一度読んだら何度も繰り返し読みたくなり、読むたびに違う感想を持つことができる絵本です。